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COLUMN住まいのコラム
断熱性能ってなに vol.2
断熱性能ってなにvol.1の続きです。
住まいの燃費を知ろう
近年、住宅会社の一部で取り組まれているのが建物の燃費計算です。
燃費と聞くと車をイメージするかと思いますが、建物では光熱費のことを指します。
高気密高断熱の住宅は、断熱がされていない住宅と比較して光熱費が安くなり、高性能になればなるほど、光熱費は安くなります。
世の中では8帖や6帖用のエアコン1台で、30坪余りの住まいを全部冷暖房できる住まいも存在しています。
しかし性能を上げれば、工事費は高くなります。
工事費が高くなる代わりに、日々の光熱費が安くなり、住宅ローンを返済する期間で高くなった工事費を取り戻す試算ができるのが燃費計算となります。
ソフトウェアによって精度が異なり、またご家族ごとに生活のリズムが違うので実生活との差が出ることはありますが、検討資料として十分役立ちます。
まだ全ての住宅会社が対応可能ではありませんが、高性能を売りにしている会社を中心に導入しているので、住宅会社に計算可能か相談してもよいかもしれません。
多すぎてわからない断熱性能の基準
断熱性能には、様々な基準値があります。
基準を定めている運営母体が異なり、各々が基準値を定めているためわかりにくくなっています。
性能値が低い(断熱性能が低い)順に並べていくと以下の通りです。
かっこ内は基準を定めている運営先を記します。
1.次世代省エネ基準及び断熱等級4(政府)
2.ZEH ネットゼロエネルギー住宅(政府)
3.HEAT20G1(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)
4.HEAT20G2(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)
5.パッシブハウス(一般社団法人パッシブハウス・ジャパン)
このように並べられても、何がどの程度良いのかわからないのが現状です。
これがUa値(外皮平均熱貫流率)やQ値(熱損失係数)、C値(相当隙間面積)という聞き慣れない数値で表されているので、ユーザーは混乱してしまいます。
そこで概ねの基準になりますが、通常の暖房運転環境で冬場の最低の体感温度で表すと少しだけわかりやすくなります。
1.概ね8℃を下回らない
2.1と3の間
3.概ね10℃を下回らない
4.概ね13℃を下回らない
5.概ね15℃を下回らない
温度でそれぞれの基準値を見ていくと、少しはイメージできるかと思います。
しかしこの基準値を見て、性能が高ければ高いほど良いという理解は危険です。
高性能を極めれば間取り、広さ、価格に影響が出て、高性能だけどそれ以外の希望は叶えられなかったということにもなりかねません。
住まいを考えるということは、トータルバランスが大切なので、そこだけはご注意ください。