人気の平屋の家!知っておきたいポイントとは?
一昔前は「平屋の家」というと「シニア世代が住むためのもの」というイメージが強かったかもしれません。しかし最近は、若い世代でも平屋の新築を検討する家族が増えてきています。一体その魅力はどんなところにあるのでしょうか?
今回は、最近人気の「平屋の家」を新築する上でのメリット・デメリットや、知っておくべきポイントを紹介していきます!
人気の理由とは?平屋のメリット
コンパクトで効率の良い居住空間
平屋の何よりの魅力といえば、その生活のしやすさではないでしょうか。平屋のお家はすべてワンフロアにおさまっているので、家事動線や生活動線がコンパクトになり効率的です。例えば、2階から洗濯物を持ってきて1階で洗濯したものを干して畳んでまた2階の各部屋に…といった上下運動がありません。全体的に移動距離が短くなる平屋は、年を重ねても過ごしやすいといえますね!
また、小さな子どもが勝手に階段を上ったり、転んだりしてしまうという心配もないため、安心という点でも子育て世代から人気のあるポイントのひとつです。
設計自由度が高く個性的なお家にできる
平屋のお家は2階を支える必要がないため、一般的に柱や壁の量を少なくすることができます。柱や壁の量が少なくても構造的に安定するので、耐震性を確保したまま自由な設計や立体的な空間が実現できます。例えば、屋根の勾配に合わせて天井を高くする「勾配天井」は人気のデザインで、とても開放的な空間にすることができます(後述します)。
構造的に強い家になりやすい
2階がない平屋は、重心が低く地震に強い家になりやすいのも特徴です。風の当たる面積も少なくなるので、風害にも強くなります。台風被害の多い沖縄では昔から平屋でお家を建てることが多く、防災を考えた先人の知恵といえますね。
日本は世界でもトップクラスの地震大国であり、いつ大きな地震が襲ってきてもおかしくない状況です。更に、近年は大型台風による被害のニュースもよく耳にするようになりました。新築を建てるときは災害に強いお家にしたいという方が今増えてきています。
階段などのスペースを節約できる
当たり前のことですが、2階建ての場合、2階へ上がるための階段がいります。それ以外にも、階段に至るまでの廊下やホール、2階のトイレなどが必要です。これは面積でいうと一般的に8~10帖くらいの大きさになります。階段下を有効に使うこともできるので丸々無駄なわけではありませんが、大部分を移動のためのスペースに割いていることになります。平屋の場合はそれらが必要ないため、その分総面積を小さくできたり、収納をたっぷり取ったり、1部屋増やしたりなど有効に使うことができます。
メンテナンスがしやすい
お家を建てるときには、将来的なお手入れやメンテナンスのことも考えていかなければなりません。平屋のお家は、外壁や窓の掃除をするとき脚立を使えば簡単に手が届くので、お手入れがしやすいという点も魅力的です。屋根の修理の際も作業用の足場を組まなくて済むので、費用面でもお得になりますよ。
平屋を検討する上で注意したいデメリット
大きな敷地が必要
平屋は1階部分にすべての部屋が詰め込まれるため、ある程度大きな敷地が必要になってきます。お家が敷地内におさまったとしても、十分な大きさがなければお隣さんと近くなってしまったり、日当たりが悪いということになりかねません。特に住宅密集地では空きスペースが少なく、窮屈で暗い印象になってしまいがちですので、土地によっては平屋に向かないといったこともあります。平屋のお家を計画する際は、土地の選定により注意が必要になってきます。
プライベート感が少ない
ワンフロアに家族みんなが暮らすことになる平屋は、プライベート感が少ないというデメリットがあります。平屋を設計する際は、日々の生活動線のほか、プライベートスペースと共有スペースの配置をしっかり考えましょう。
ただ、プライベート感が少ないということは、逆に家族同士のコミュニケーションが取りやすいということでもあります。家族の気配を感じながら生活できるので、子育て世代の家族にはメリットともいえるかもしれませんね。
建築費用が割高になることがある
「平屋の家は建築費用が割高になる」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そのような話を聞いてしまうと少し悩んでしまいますよね。
確かに同じ面積の建物の場合、2階建てに比べると平屋は、屋根や基礎の面積が大きくなるので建築コストが割高になります。建築会社によって違いはありますが、平屋は2階建てより一般的に、1坪当たりの単価が1割増しほどになるといわれています。仮に2階建ての坪単価が60万円/坪だとすると、平屋は66万円/坪程度になるということです。
しかし、坪単価が割高だからといって「平屋の家は高い」と決めつけてしまうのはまだ早いです!メリットのところでも触れましたが、平屋の家では階段や2階の廊下がないので、8~10帖(4~5坪)ほどの面積を節約できます。
もし2階建てで40坪くらいのお家が、平屋で36坪ほどの大きさでおさまるとすると、その建築価格は…
・2階建て 40坪×坪単価60万円=2,400万円
・平屋 36坪×坪単価66万円=2,376万円
単価でみると割高でも、建築価格全体で考えるとそんなに大差がなかったりするんです。「平屋は高い!」という先入観は捨て、総合的な資金計画を見て検討していくことをおススメします。
部屋数が多いと設計が難しくなる
主寝室と子供部屋2つという3LDKのお家やそこに和室を加えた4LDKのお家であれば比較的問題にならないケースが多いですが、それより居室が増えれば増えるほど実は設計が難しくなってきます。
居室には窓を設けることが義務付けられているので、すべてのお部屋を外周部分に接して配置しなければなりません。そうなると逆に廊下が長くなってしまったり、LDKの窓が大きくとれなかったりと、思うように配置できないこともあります。そのために建物をL字にしたり中庭を設けたりすることもあるのですが、その分大きな敷地が必要になるので、敷地の配置計画と合わせて検討していく必要があります。
おしゃれな平屋にするためのポイント
自由度が高いからこそ悩んでしまう部分も多い平屋のお家。
ここからは、おしゃれな平屋にするためのポイントをいくつか紹介していきます!
①外周部の形と屋根のかけ方に注意する
平屋のお家を建てようとする際は外観デザインに気を付けなければ、場合によっては味気ない倉庫や公民館のような見た目になってしまいます。そうならないためには、L型の間取りにするなどあえて外周部に凹凸を設け、屋根の形に変化をつけることをおススメします。同じ間取りでも切妻、寄棟、片流れ、そして軒の出の長さなどで雰囲気がガラッと変わってきますよ。屋根が単純になってしまうときは、素材感の違う外壁アクセントを採用したり、玄関ドアで変化をつけるなど全体が単調になりすぎないようにしましょう。
②外構とあわせて計画する
平屋は高さがない分、周りの木々やお庭などの外回りの影響を受けやすいです。植栽やウッドデッキ、郵便受けなど外構と組み合わせて計画していくとコーディネートが上手くいきやすいです。
③縦の空間を活かした立体設計を取り入れる
外観だけでなく内観も単調になりやすい傾向にある平屋ですが、勾配天井やサンクンリビング、小上がりのタタミコーナーなど縦の空間に変化をつけると、メリハリが効いて印象的な室内空間にすることができます。
特におススメしたいのは、やはり高さを活かした勾配天井です。勾配天井を設けると一気に開放感が増し、室内の雰囲気がぐっと変わります。更にはその勾配天井に木の板を貼ったり、あえて梁見せの構造にするなどして一工夫すれば、よりおしゃれ感が増しますよ!
まとめ
近年、人気が出てきている「平屋の家」。少し前までは若い世代が新築を考える際に平屋という選択肢は少なかったように思いますが、平屋の魅力について詳しく紐解いていくと、世代など関係なく人気になるのも納得ですね!
タカノホームでも平屋のお家は数多く建てさせていただいております。全体の資金計画や敷地の配置計画も含めてご提案させていただきますので、是非一度ご相談下さい!