COLUMN住まいのコラム

発注形態の違いから見るハウスメーカー、工務店、設計事務所の違い

イエタッタ編集部
2019.12.13

予算計画ができ、コストアップにならない心構えができたら、パートナー選びのスタートです。

家づくりのパートナーとして、どんな企業があるのかご存じでしょうか。

今回は、ハウスメーカー、工務店、設計事務所の発注形態の違いについて解説します。

 

 

1.設計施工一括発注方式と分離発注方式

まず発注方式の違いがあります。

設計と施工(工事)を同じ会社にお願いすることを、一括発注方式と呼びます。

一括で一つの会社にお願いするため、契約先は一社となります。

ハウスメーカー、工務店が一括発注方式をとっています。

もう一つの発注方式が、設計と施工を別々の会社にお願いする分離発注方式です。

設計は設計事務所、工事は工務店に分けるので、契約先は複数になります。

さらに工事を工務店ではなく、各種専門業者と直接契約するオープンシステムというものもあります。

この契約形態の違いが、責任の所在や価格の違いになります。

 

 

2.一括発注方式のメリット、デメリット

<メリット>

・設計も施工も同じ会社なので、連携がスムーズでスピーディー

・設計と施工のノウハウが蓄積しており、質に安定感がある

・契約先が1社のため、建設中も建設後も何かトラブルがあった際の責任の所在が明確

<デメリット>

・設計施工会社(元請け)を経由して、専門業者(下請け)に動いてもらうので、経由分の経費がかかる

・設計と施工が同じ会社内なので、会社の売上を優先されてしまう場合がある

・蓄積したノウハウを基礎につくりあげるので、個性的なことは対応しにくい

 

 

3.分離発注方式のメリット、デメリット

<メリット>

・設計と施工が別会社のため、双方を第三者として監理できる公平性がある

・設計事務所が設計をするので、細部までこだわりを反映しやすい

・施工会社を競争入札で選定することがあり、適正価格での工事がしやすい

<デメリット>

・設計と施工に契約が分かれるので、支払い回数が多い(2社合わせて7回程度)

 設計:着手金、基本設計終了、実施設計終了、工事完了の計4回

 施工:着工金、中間金、工事完了の計3回(上棟金があれば4回)

・契約が分かれることで、責任の所在が不明瞭になる可能性がある

・一括発注方式よりも段階を踏むので時間がかかる場合が多い

 

 

4.オープンシステムのメリット、デメリット

<メリット>

・お客さんが直接専門業者と契約をするので、経由分の経費が削減できる

・設計事務所が第三者として専門業者を監理し、公平性がある

・分離発注同様、こだわりのある家づくりができる

<デメリット>

対応できる設計事務所が少ない

・設計事務所のアドバイスを受けてお客さんが工務店の役割をするので、家づくりへの負担(ストレス)が大きくなってしまうことがある

 

 

5.実は間違っている価格に対する一般的な認識

設計事務所は機能性よりもデザインで、デザインを優先しているから割高という認識があります。

またハウスメーカーや工務店よりも、設計事務所の方がおしゃれな家が多いという認識もあります。

しかしこれらの認識は間違っています。

それぞれ最低限の予算水準はありますが、ハウスメーカー、工務店、設計事務所のどこに頼んでも予算を超えた提案をしてくる会社はプロとは言えません。

また近年、デザイン性に富んだ工務店も出てきました。

カフェ風、カントリー調、西海岸風、和モダン等、住まいを見れば〇〇工務店、〇〇住宅だとわかるような特化したデザインが目立つようになりました。

工務店も設計事務所に負けず劣らずデザイン力を磨いています。

 

 

今回、発注形態の違いからハウスメーカー、工務店、設計事務所の違いを確認しました。

発注形態以外の違いについても今後ご紹介していきます。

 

 

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