COLUMN住まいのコラム

住宅展示場の見学ポイント

イエタッタ編集部
2018.01.08

 

  家が欲しい」と思い立ったら、まず多くの家を見て回ることをお勧めします。それにうってつけなのが住宅展示場です。

 たくさんの家を実際に見て触れることで実際の作りや、内外装といった家の雰囲気づくりの工夫などを肌で感じることができますし、センスが養われます。家づくりをするにあたって目を肥やしておくのは、とても大切なことです。

 

 しかし、「家づくりの時期がまだ決まっていない段階」で住宅展示場に行ってしまうと、失敗することも。素敵な実物モデルハウスに魅了されたり、営業マンのトークでその気になってしまい、舞い上がって契約してしまうケースも少なくありません。そうすると、後々ローンの返済が厳しくなってしまったり、間取りなどが家族のライフスタイルに合っていなかった、とゆう問題が出ることも多いのです。

 

 このような失敗を防ぐためには、住宅展示場について知ることが大切です。そのためのポイントをご紹介していきます。

 

 

1.〈下準備〉

 

 住宅展示場といえば、その時の最新の家が集合しているとても便利な場所です。だからといって、目についた住宅にとりあえず入ってみるというのでは、何棟も歩き回ったり、たくさんの選択肢を比較検討することなどで体力的にも精神的にも疲れてしまいます。せっかくセンスを吸収したり、いいアイデアを探したりと目を肥やしに行っているので、1棟に時間をかけることが望ましいでしょう。

 そのためには、事前に住宅展示場の折り込みチラシ、CMやホームページなどで家のデザインや特徴などを確認し、「こんな雰囲気の家が好み」というハウスメーカーを選び、その中で見てみたい家をある程度絞り込んでおきましょう。

時間的にも体力的にも1日で回れるモデルハウスはだいたい3棟くらいだと思うので絞り込んだ中でも見たい優先順位を決めておくといいと思います。

 また、家族それぞれの希望を紙に書き出して、「リクエストシート」を作っておくと便利です。「パパは書斎が欲しい」「ママは広々としたキッチンがいい」「子供たちはロフトが欲しい」など。そうすることで展示場の営業マンに希望が伝わりやすく、理想に近い商品を提示してもらえるでしょう。

 

2. 〈展示場広告はココを見よう〉

 家づくりをスタートしたら、今まで何気なく捨てていたチラシも要チェックです。展示場のチラシ広告が入ったら、隅々まで目を通してください。どこかになんらかのセミナー情報が盛り込まれていることが多いです。例えば「住宅に関するマネープラン」や「インテリア」、「耐震性や省エネ」についてなどの勉強会イベントが開催されていたら、是非それらにも参加するようにしましょう。せっかく行くからには何かを学んで帰ってきたいですよね。

 そのほかに、小さなお子様がいる方は託児スペースがあるかどうかも大事なポイントです。家族みんなで行くにしても、資金や構造の話などの時は傍らで騒ぐ子供を気にせずにじっくり聞きたいですよね。そのために最近では託児スペースや子供のプレイスペースを設けた展示場が増えています。

 「家が欲しいなあ」と漠然と考えている段階だとしても、そのような情報を入手しておくことは、後々きっと役に立ちます。家を建てるということは、ほとんどの人にとって一生に一度の大イベントです。必要な情報をわかりやすく、専門家から解説してもらえる機会があるのならば、そのチャンスを活かさない手はないでしょう。

 

 

3. 〈住宅展示場に持っていく持ち物〉

 もしも、住宅購入に関する意気込みがあるならこうした持ち物を持っていくと、ハウスメーカーの営業マンも、この人は家づくりに熱意があるんだなと思ってくれて、丁寧な接客や説明をしてくれるかもしれません。

 

・カメラまたはカメラ付き携帯電話

気になったものはとりあえず撮っておきましょう。

恥ずかしいなあと、思うかもしれませんが、展示場は、現物の見本の宝庫なので、目で見るだけではなく、しっかり写真に撮って記録しておくことで、あとから見返すことができます。

 

・メジャー

なんとなくこのくらいかなと思っていたものでも、実際に測ってみると、意外に長かったり短かったり、広かったり狭かったりするものです。特に、住宅展示場は一般の家よりもかなり広めに作られているので、メジャーを持ち込んでサイズ感もメモしておくと後から役立つでしょう。

 

・筆記用具・メモ帳

貸してくれるケースも多いと思いますが、熱意を見せるためにもちゃんと持っていくといいでしょう。気になったところなどはその都度、メモするようにしておきましょう。記憶って意外とあてにならないものです。

 

・脱ぎ履きしやすい靴・上着

住宅展示場を数棟見て回る場合には靴を脱ぎ履きする機会も増えます。スムーズに回れるように脱ぎ履きしやすい靴がいいでしょう。それと、展示場内は快適な温度に保たれていると思いますが、真夏や真冬は移動することを考え、体温を調整できる上着などがあるといいでしょう。

 

・大きめのカバンや袋

ハウスメーカーのモデルハウスを見学すると、たくさんの資料をもらうことが多いです。また、住宅展示場のイベントなどによってはお土産などももらえることも多いので、大きめのカバンや袋を持っていくと便利です。

 

 

4. 〈住宅展示場のモデルハウスは「オプションだらけ」であることを理解しておく〉

 住宅展示場は、複数のハウスメーカーや工務店の家が集合する場所。そのため、他社を出し抜こうと少しオーバーな演出をしていることも珍しくありません。物件の広さはもちろんグレードも高いので、モデルハウスのような家が建つと考えてはいけません。

 例えばキッチンやバスルームなどは標準ではなく、オプションの高価な物にしてあることがほとんど。気に入った設備などは、オプションかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。

 また、家具の配置なども実際に生活するためではなく、デザイン性を重視して配置されていることが多いので、オシャレな雰囲気に飲み込まれないようにしましょう。そのためには住宅展示場だけで判断せずに、住まいの見学会などの実際にそのハウスメーカーで家を建てた人の訪問イベントを活用しましょう。見学会はそのハウスメーカーの『現実』を良い意味でも悪い意味でも知ることができる機会です。

 

 通常、家づくりには予算はつきものです。予算内でどう収められるのかがとても悩ましいところです。モデルハウスでは素敵に思えたのに、実際に建ててみると思ったものと違う「残念」な家ができたというケースもあるでしょうし、オプションをつけすぎて予算よりもはるかに高額な家になってしまったというケースもあります。そうならないためにもしっかり意識して参考にしましょう。

 

 

5. 〈住宅展示場ではどこを見たらいいのか〉

 

 住宅展示場の住宅は超高額な物件であることはわかったかと思いますが、それならどこを見ればよいのでしょうか?

 

・最新の設備や機能

最新のキッチンやバストイレ。空調や換気などのシステムの設備などは見て参考になる部分もあると思います。そうした最新の住宅設備などを実際に目で見て触って体験できるのはよい機会です。便利な機能やほしいシステムがあればメモしておきましょう。自分が建てるときの参考になるはずです。

 

・間取りやインテリア、照明、素材など

モデルハウスは必ずしも、生活視点ではない部分もありますが、設計士やインテリアコーディーネーターなどのプロが見栄えを計算して間取りやインテリア、照明などを配置しています。そうしたインテリアなどがどうなっているのか、というのを確認しておくと家を建てるときだけでなく、今お住まいの家のインテリアの改善にも役に立ちます。

 

・構造、性能

最近では耐震強度偽装や悪質リフォーム問題などが影響してか、以前より「構造」をより重視して見学している人が増えています。目では見えない部分なので、営業マンに色々と質問してみましょう。

 

・各メーカーがそれぞれ強みとしている部分

ハウスメーカー各社はそれぞれで自社の強みというものがあるはずです。それは防災に関する部分だったり、設備や構造に関する部分だったりと様々。そうした各メーカーが持っている強みというものを確認しておきましょう。

 

 

6. 〈家の設備を「使う・触る」で実体感〉

 実際に触れ、使ってみることができるのが、モデルハウスの最大のメリット。カタログや写真だけでは分からない壁や床、建具などの質感を体感しましょう。自分の家だと思って、床に座ってみる、ソファに腰掛けてみるという視点の変化から、家の内部の見え方・距離感は大きく変わります。また、最新の設備機器をいち早く導入しているのも見逃せないポイント。キッチンやバス、サニタリー、空調設備など、実際に体験できる設備はどんどん試してみて、自分の家に欲しい設備のイメージ作りに役立てましょう。

 

 

7. 〈営業マンとの相性も確認しておく〉

 

 長ければ半年から一年は対面での相談を重ねる家づくり。営業マンとの相性はとても大切です。営業トークを単に受け流すのはもったいないので、こちらからも積極的に質問を投げかけてその応対ぶりを確認しましょう。人としてお付き合いしやすいかどうかは、打合せに大きな影響を与えます。

 ほとんどのメーカーはさまざまな商品を持っていて、エリアや展示場が違えば商品も営業マンの傾向も違います。そして、「展示場経由で契約したお客様は、最初に記名してもらった展示場の営業マンが担当する」という暗黙のルールになっていることが多いので「メーカーは気に入ったけど、営業マンとの相性があんまり…」とゆうこともあると思います。そうならないためにも、最初からアンケートに回答するのではなく、同じハウスメーカーがやっているモデルハウスを複数行ってみる、何度か会ってみるなどしてからアンケートに回答するようにするといいでしょう。

  

 

8. 〈アンケート用紙はすぐに書かない〉

 来場者に渡されるアンケート用紙には、住所・氏名・電話番号の欄があります。もちろんこれはその後の営業活動に利用するためのものです。渡されてすぐに記入することは避け、「帰る際にお返しします」といって、手に持って見学をしましょう。

 

 実際に見てみて、「この家は候補に入れてもいいかな」と思えた時には、全部の欄に記入すればいいでしょう。「こちらにはお願いはしないかもしれないけれど、情報だけは欲しい」と思う場合にはメールアドレスの記入だけでも大丈夫。ハウスメーカーは世の中が個人情報に敏感になっていることを知っていますので、最悪の場合には全く記入をしてもらえないことも充分承知しています。

 また、見学に行く段階で具体的な計画がなく、アンケートを遠慮したい場合には素直に「まだ具体的な段階ではないので」と伝えて、書かなくてもよいか確認をしましょう。

 

 

9. 〈帰宅後は情報を整理しよう〉

 見学から帰ったら、忘れないうちに見学したモデルハウスの印象をまとめましょう。もらったパンフレットや自分が書いたメモ、撮った写真などを企業ごとに分けて整理し、見学時に気になったことや営業マンの印象など、もう一度思い出してメモに書き足しておきましょう。整理した資料は、ほかのメーカーと比較検討する際の資料として活用できます。

記事一覧に戻る

関連記事